事業等のリスク

2023年6月14日更新

 

 ソーシャルワイヤーグループ(以下「当社グループ」という)の事業の状況、経理の状況に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、現時点における事業環境に基づき、当社グループが判断したものであります。

 

グループ全体及びその他に係るリスク

(1) 成長戦略の実効性と中期経営計画の策定について
 あらたな経営方針の下、プロダクト価値を向上させることで、顧客継続率を向上させることによる顧客数や顧客単価の増加を見込んでおりますが、その効果の発現が遅延しており、中期経営計画を取り下げております。今後、成長戦略の効果が限定的であった場合や想定を下回る場合は、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 事業の選択と集中に伴う純資産の減少について
 当社グループは、損益及び財務体質の改善に向け、事業の選択と集中を実施しております。国内シェアオフィスサービス(横浜拠点を除く)の事業譲渡、及び「CROSSCOOP横浜」の撤退に係る固定資産の減損損失を当連結会計年度に計上したことにより、当社グループの純資産は大幅に減少しました。
 事業譲渡に伴い得る資金で有利子負債の返済を行い、利益率の高いデジタルPR事業に経営資源を集中させることで純資産の回復に努めますが、デジタルPR事業の損益の悪化や予想外の特別損失が発生した場合は、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 管理職人材の育成について
 当社グループは、複数のサービスポートフォリオで事業が構成されており、各サービスの適切な事業成長のために、従業員の積極的な管理職への登用と権限移譲を行っております。そのため、管理職層の指導力や事業運営能力の育成が適正かつ持続的に実施されない場合、当社グループの中長期の事業成長に影響を及ぼす可能性があります。

(4) 金利変動リスク及び資金調達について
 当社グループの資金調達については、主に金融機関からの借入金によるものであり、資金調達に際しては複数の金融機関と契約を締結し、機動的・効率的な資金調達を行うとともに資金調達リスクの軽減に努めております。しかしながら、何らかの理由で必要額の資金調達が行われなかった場合には、事業展開の進捗に遅れが生じ、収益機会の逸失に繋がる可能性があります。また、不測の事態による急激な金利変動によっては、金利負担が当社の経営成績に影響を与える可能性があります。さらに、全般的な市況及び景気の後退、金融収縮、当社グループの信用力の低下、事業見通しの悪化等の要因により、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) サイバー攻撃について
 今般のリモートワーク導入の加速化や個人情報保護法の改正等の外部要因もあり、ますます機密情報の保護に関しては重要課題であると認識しております。昨今、多発しているサイバー攻撃により、当社の重要データの流出またはシステムへのアクセスが不能となった場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(6) 内部管理体制について
 当社グループは、継続成長のために、コーポレート・ガバナンスが適切に機能することが必要不可欠であると認識をしております。業務拡大に合わせ、内部管理体制の充実を図ることを重要課題にあげておりますが、事業の急激な変化等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

デジタルPR事業に係るリスク

(7) システム障害等について
 当社グループが提供するリリース配信代行サービス及びクリッピングサービスは、システムを結ぶ通信ネットワークに依存しており、サーバー管理等の重要な業務の一部を外部委託しております。自然災害や事故等の発生によって当社グループ並びにサーバー管理等の委託先の通信ネットワークが切断された場合、継続したサービス提供その他に支障が生じる可能性があります。当社グループのシステムは、通信ネットワーク・システム構築の二重化及び適切なセキュリティ手段の構築等により、これら障害回避のための取り組みを講じておりますが、前述した要因等により、継続したサービス提供に支障が生じた場合には、収益機会の逸失、システム及び事業運営に対する信頼性低下、クレーム発生その他要因により、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(8) クリッピングサービスにおける著作権等について
 当社グループが運営するクリッピングサービスのうち、紙メディアクリッピングサービスは、新聞社、出版社等から発行される新聞、雑誌等を購入し、原本郵送することで行っております。調査対象メディアが一般に販売された時点で著作権者の有する著作物の譲渡権は消尽していると考えられるため、原本郵送サービスが当該メディアに含まれる著作物に係る譲渡権を侵害すると評価される可能性は低いと考えられます。しかしながら、調査対象メディアとの間でトラブルが発生し、訴訟等に至った場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(9) 参入障壁について
 当社グループが提供するリリース配信代行サービスは、法的規制がないサービス分野であり、新規参入が比較的容易であります。当社グループにおいては、メディアリレーションの強化、各プレスリリースの内容に応じて適切に絞りこまれたメディアを対象として配信、ノウハウをもつ専属スタッフによるきめ細かな顧客対応、顧客の配信履歴分析によるリコメンデーション機能等により、競争力の維持・向上、流出防止策の強化をしていく方針であります。今後、多くの新規参入を招き、競合他社との差別化が困難となった場合には、受注や採算性の確保が困難となり、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(10) メディア各社及びインフルエンサー等との関係について
 当社グループとメディア各社及びインフルエンサー等との広域かつ親密なネットワークは経営資源であり、効果的なPRやマーケティングサービスを提供するための関係について重要な事業インフラです。有用な情報を長期的かつ継続的に提供することによりメディア各社及びインフルエンサー等との信頼関係を構築してまいりましたが、当社グループが誤った情報の提供を行うことや他社との競争激化により相対的に信頼関係が低下した場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 公開前情報の情報管理について
 当社グループが提供するリリース配信代行サービス及びインフルエンサーPRサービスは、顧客の公開前情報を事前に預かり、効果的にディレクションする性質のサービスであります。情報管理は、従業員への意識徹底のみならず厳重なシステム担保方策を施し、関連インフルエンサーとの間では機密情報漏洩禁止の法的拘束を前提に業務進行しております。しかしながら、何らかの予期せぬシステムトラブル、もしくは関連インフルエンサーの過失による漏洩事案が発生した場合、顧客との信頼関係の低下を誘発し、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(12) 災害・事故等について
 当社グループが提供するデジタルPR事業の顧客である企業等は、自然災害、社会的インフラの障害、通信・放送の障害、大規模な事故、伝染病、戦争、テロ、政情不安、社会不安等が発生した場合、広報・PR・宣伝活動等による企業活動を自重する等、災害・事故等の影響を受けやすい傾向にあります。したがって、これらの災害・事故等が発生した場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

シェアオフィス事業に係るリスク

(13) シェアオフィス事業の譲渡について
 当社は財務体質の改善及び事業の選択と集中を目的に、2023年9月1日を効力発生日として国内シェアオフィス事業(横浜拠点を除く。)の譲渡を計画しておりますが、予期せぬ外部要因や調整の遅延等により、本取引が実行されない可能性があります。その場合は当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(14) AIの技術革新に伴うクラウド翻訳サービスへの影響について
 当社グループのクラウド翻訳サービスは、AI技術の発展により提供される機械翻訳が大量翻訳かつ安価な翻訳サービスとして当社グループのクラウド翻訳サービスの代替品となり得るため、ビジネスモデルの転換をしていく必要性があります。クラウド翻訳サービスのビジネスモデルの転換が迅速かつ効果的に実行されなかった場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

新規事業に係るリスク

(15) 新規事業について
 当社グループは、事業規模の拡大と収益源の多様化を進めるため、積極的に新規事業開発を検討し、実施してまいります。新規事業においては、蓋然性を十分検討したうえで、開発を行ってまいりますが、当該開発が何らかの影響で想定以上の工数を要した場合や、想定していた収益計画が大幅に遅延した場合においては、投資回収見込みがなくなることによる減損損失等が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、新規事業を推進する中で、必要に応じて他社との業務提携等を検討し、実行してまいりますが、想定していた相乗効果が業務提携等から得られなかった場合、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(16) M&Aについて
 当社グループは、既存事業の規模拡大や新規事業進出に際し、事業戦略の一環としてM&Aや資本参加、資本提携等を行っております。買収や提携後の事業計画の進捗が当初見通しに比べ大幅に遅れる場合には、当社グループの事業活動、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。