クリッピング事業の市場環境について

クリッピング事業の市場環境について(2022年11月30日)

 

 

 いつもご支援いただきまして、ありがとうございます。代表取締役の庄子でございます。

 当社は、インフルエンサーPR事業、リリース配信事業、クリッピング事業、シェアオフィス事業、クラウド翻訳事業の5つの事業ポートフォリオで構成されており、それぞれの事業の市場環境とそれを踏まえた事業の方向性について、機会を見て発信させて頂きたいと考えております。


 今回は恐らく皆様にはあまり馴染みがないであろうクリッピング事業について発信します。
 クリッピング事業は主に紙案件、WEB案件、RE案件(RISK EYES)の3つのサービスで構成されており、それぞれのサービスごとの案件数推移は以下の通りです。



1.紙案件

 主に新聞や雑誌などの紙媒体を調査し、顧客が要望する記事を切り抜いて納品するサービスです。目視調査をすることで、商品の写真が掲載されている記事やニュアンスが顧客の要望に近い記事など、キーワードに限定しない調査が出来るのが特徴です。
 また、早朝対応もしており8時までにその日の朝刊の記事を届けて欲しいといった特急対応も当社の@クリッピングの特徴となっております。
 しかしながら、昨今は顧客サイドの働き方改革や紙媒体のWeb媒体化の潮流もあり、顧客からの紙媒体の調査依頼は減少傾向にあります。この紙媒体調査は市場全体が縮小傾向にあるため、大幅な増加に転じることは想定しておりませんが、残存市場のシェア争奪に向けた競争優位性の確立が今後のポイントになります。


2.WEB案件

 Web上のニュースサイトを調査し、顧客にレポーティングするサービスです。昨今は、各ニュースサイト同士で連携し、ニュース記事を転載する仕組みが発達し、1つのニュースサイトに記事が掲載されると、他のキュレーションサイト(ニュースアプリ)にも転載される件数が増加しています。リーチ数にレバレッジが効くという潮流も後押しし、広報担当者はニュースサイトへ掲載されることを重要視する傾向があります。従いまして、紙媒体の調査は停止してもWeb案件は継続するケースもあり、Web案件数はこの3年ほど横ばいで推移しております。
 今後は、顧客に対して調査結果のレポーティングだけではなく、広報の効果測定を意識して踏み込んだレポーティングツールの開発と、本サービスの技術を活用した新たな顧客利用シーンの開発による市場開拓を進めていく所存です。

(9月15日)
メディア露出の評価・分析の新指標『記事ポイント』機能を提供開始 広告換算値だけでなく、KPI連動型の広報効果分析も実現~WEB記事の拡散数を計測する『リーチ数オプション』も同時実装~


3.RE案件(RISK EYES)

 他の2つの広報活動に関連したクリッピングサービスとは異なり、会社が新たに取引先を増やす際や採用する際に利用する取引先チェックサービス「RISK EYES」です。市場拡大を背景に販路開拓の成長戦略を実行しているサービスで、案件数は前年比135~175%で推移しております。
 このサービスは企業活動を「攻守」で分離するならば「守」、リスクを未然に防ぎ会社を守るためのものです。
 昨今、企業は反社会的勢力の関わりが明らかになれば市場から一発退場を命じられます。また反社会的勢力だけではなく、従業員や株主が過去に重大な事件に関与していたことが不祥事後に判明し、ステイクホルダーからの不信感が事業成長に急ブレーキをかけるケースも散見されます。
 企業が自社のステイクホルダーと関わる際に事前のスクリーニング能力が重要視されております。
 このように「RIESK EYES」を取り巻く市場は拡大傾向にありますが、他方、競合の市場参入も増えているため、本サービスも常に顧客の生産性を高め、あらゆるリスクを軽減させるための機能を高め続け、費用対効果で唯一無二のサービスに昇華していかねばなりません。法務やSFA、人事との相性も良いサービスですので、リーガルテックやセールステック、HRテック企業とのマーケティングや開発面での協業も含めて検討して参りたいと思います。

(9月12日)
反社チェック専用ツール「RISK EYES(リスクアイズ)」、自社で独自収集した「アンチソーシャルDB」を提供開始~反社チェックの業務効率アップへ!『懸念レベル』『AI判定によるネガティブ率が高い記事』での絞り込み検索機能も同時実装~


 以上を持ちまして、クリッピング事業の市場環境および各サービスの足元のご説明となります。


 本事業部の案件数全体は安定的に右肩上がりではありますが、市場ライフサイクルが斜陽期に差し掛かってパイの奪い合いで優位性を発揮せねばならないクリッピングサービスと、成長期にあり新規顧客開拓および更なる周辺市場の拡大を牽引せねばならない取引先チェックサービスの2つの戦略を粛々と遂行して参りたいと考えております。

 投資家の皆様におかれましては引き続きのご支援のほどよろしくお願いいたします。