株主・投資家の皆様へ
代表取締役社長 矢田 峰之 付加価値を追求し、企業価値の向上に努めてまいります。

2025年3月期 通期決算の概要(2025年5月13日)

 

代表取締役社長の矢田でございます。
2025年3月期の決算がまとまりましたので概要をご報告いたします。
この1年の成果は、事業ポートフォリオの再構築とテクノロジー体制強化が奏功し、黒字基調へ復帰するとともに、次の成長ステージへ向けた下地を築く一年となりました。


■業績ハイライト(決算説明資料決算短信

当期の第3四半期より不採算事業からほぼ撤退が完了して、コア事業のみの業績となってきたため減収となりましたが、グループ全体の営業利益は▲0.02億円 → 1.36億円、当期純利益は▲1.46億円 → 1.70億円と、コア事業の再成長により黒字転換しました。
サービス別ではインフルエンサーPRによるけん引により、デジタルPR成長率 ▲3.3% → +4.3%、メディアリスニング成長率 +2.2% → +11.8%となりました。
また、財政状態に着目しますと増資と借入金圧縮で財務安全性が大幅に改善し、現預金残高は3.5億円 → 14億円、自己資本比率 5.9% → 61.2%となりました。着実な黒字化の実現とさらなる事業成長の基盤が築けたことがご確認いただけるものと思われます。






■連結業績

トップラインは29.05億円(対前期比▲21%)となりましたが、これはシェアオフィス・翻訳など非コア事業を計画的に譲渡したことによるものです。コア事業(デジタルPR+メディアリスニング)の売上は対前期比6.9%増収の27.06億円となり、1年前はややマイナス成長であったことから、再び成長軌道にトレンドが戻ることができています。利益面ではEBITDAは3.04億円(対前期比+25%)、営業利益率は対前期比0.3ポイント減少の4.7%となりましたが、広告宣伝と開発人員増強費用を吸収しつつ黒字を維持できています。


財政状態については、株式会社ジーニーへの第三者割当増資及び営業C/Fの改善により現金及び預金が3.5億円から14.1億円と10.6億円増加、有利子負債は3.7億円から1.9億円へと借入依存を脱却し、実質無借金となりました。結果として、自己資本比率は5.9%から61.2%に55.3ポイント向上しております。


■事業別トピックス

デジタルPRサービスでは、インフルエンサーPRが大型案件増で取引単価が+33%増加したことで大きく牽引してくれました。また、足元4月からSMB向けの月額制サービス「Find Model サークル」として、従来まで手をつけてこれなかった定額制プラットフォーム型の提供モデルにも開始することになりした。
また、リリース配信では、マイナス成長が進行しておりましたが、改めてプロダクト価値を見直し、下半期においてシステム回収を実施した結果、SEO効果が高まり、1リリースあたりPV が1.5倍に伸長し、記事化一辺倒であったことから、下期からPV価値を積極的に営業訴求を工夫していったところ受注が対前期比+8.5%と反転することに繋がっています。受注から売上には、半年~9ヶ月程度のリードタイムを要しますが、マイナストレンドから潜在的にはプラストレンドへ回復基調となってきております。





メディアリスニングサービスでは、レガシーメディアを対象としていたクリッピングは、下降トレンドが進行しておりましたが、当期下半期からプラップジャパングループとの提携効果や、単価見直しによる効果もあり業績が底打ちを確認できました。また、対象メディアとして「SNS」を対象とするSNSリスニングへの開発にも着手しはじめ、大手顧客に対しての提案力、および類似企業との競争力を大幅に高める方向で進行しており、大きく戦略ピボットしていく期間となりました。
リスクチェックサービスでは、高いサービス品質を背景にした積極的なマーケティング活動により利用者数の拡大にともないMRRが拡大しています。また、企業のリスクチェックという性質から、一定期間に一度の一括検索オプションが好調で進行したことで、売上成長率が40%と高い成長率となりました。



■中期の方向性

当社は、この期間において、PR業界で最もテクノロジー優位な企業となっていくことを進行していきたいと考えております。社内のテクノロジー体制は、足元では全従業員の約12%がエンジニアとなりました。これを武器として、3年間でコア事業売上を約2倍の50億円、営業利益を5倍以上の8億円の水準をターゲットとしていきたいと思います。創業当時より「量の追求」を行動指針として掲げており、事業基盤が整ったことで改めてこれを推進してまいります。それに加え生成AIの活用をしながら進行し、売上拡大と利益率の向上の両面を顕在化していきたいと考えております。
また、上記の数値目標では具体的に個別固有の事案は見込んでおりませんが、財政健全化によりネットキャッシュ12億円を確保していることに加え、税務メリットをフル活用し、戦略的なM&Aに本格的に取り組むフェーズへと移行していきます。2026年3月期〜2027年3月期で、2~3件の実行を目標としてまいります。







■2026年3月期の業績予想

2026年3月期は、引き続き成長の加速を見据えた1年となる見込みです。
売上高においては、撤退事業を除く算定で+15%成長を想定、売上総利益率は+3ptの改善を見込んでおり、プロダクトごとの月額契約基盤の強化が収益安定化に寄与していく見通しです。当期純利益は、前年に一時的な特別利益(子会社売却等)が含まれていた影響によるものですが、営業利益ベースでは堅実な成長を計画しています。





■これからのソーシャルワイヤー

構造改革期において、「黒字回復」と「財務健全化」を同時に進行し、成長投資へ踏み出す準備が整いました。2026年3月期からは、インフルエンサーPRの仕組化とリリース配信のメディア化を加速させ、メディアリスニングでもテクノロジー優位を築いていく期間と位置づけています。引き続き、「全ての魅力にスポットライトがあたる社会へ」というビジョンの実現に向け、社員一同邁進してまいります。


以上、本決算の概要説明の補足となればとポストいたします。

投資家の皆様におかれましては、引き続き、変わらぬご支援を賜りますようお願い申し上げます。