国内シェアオフィス事業(CROSSCOOP)を事業譲渡することになりました

国内シェアオフィス事業(CROSSCOOP)を事業譲渡することになりました

 

 

 代表取締役社長の矢田でございます。
 この4月より社長復帰することになりました。復帰して1回目の投稿となります。
 コロナ禍による約3年に渡るパラダイムシフトは当社経営にとっては非常に手厳しいものとなりました。対応しきれていない姿に忸怩たる思いをもっていたものの、ここで当社も大きく変化することにいたしました。

●本日開示した内容
・国内シェアオフィス事業の譲渡に伴う会社分割(新設分割)と新設会社の株式譲渡
・特別損失及び繰延税金資産の取り崩しによる通期連結業績予想の修正
・決算短信の開示遅延のお知らせ

 当社2つのセグメントのうち1つのセグメントの大半をしめる「国内シェアオフィス事業」において、良縁となったヒューリック株式会社(オフィスリーシングの最大手企業)へ譲渡(実行予定9月)することについて合意締結いたしました。(なお、横浜拠点は本譲渡合意前に、拠点閉鎖を判断しており譲渡対象とはなりません)そして、これら後発事案による概算損失を、直前期末決算に計上することで着地見通しが変更となります。もとより赤字想定ではありましたが、創業来で最大の大赤字となります。あわせて決算情報の精査等を慎重に実施のため、決算短信の開示を10日ほど遅らせていただきたいという内容となります。
 ヒューリック社は言うまでもなく超大手の大資本母体であること、そして、何よりリリース内容から伺える戦略性から譲渡後もより発展的なものへと導いてくれることが明々白々であり、今回の判断を大いに後押ししてくれました。

<ヒューリック社からの発信リリース>
・M&A を通じたレンタルオフィス事業への参入について

 この判断に至るまでに当社の抱えていた課題感は、前述の当社開示文書をご覧いただきたいところですが、ここではこの判断が今後当社にどのような影響をもたらすのか、ということを補足説明としてお伝えできればと思います。

●影響1 事業構造への影響(選択と集中)
 創業期より、デジタルPR事業とシェアオフィス事業の2つを大いに発展させてきました。この度の判断により、シェアオフィスセグメントを事実上ないに等しく減少させるものとなります。譲渡日以降は、当社は『デジタルPR事業』をコア事業として進行するという経営の意思を表現したものとなります。
 譲渡予定が期中となるため通年を通すと一定の規模感があることから、経過年度の開示資料は従来どおりの2セグメント表記としますが、譲渡実行以降は、事実上1セグメント集中型の経営判断への舵をきることになります。これをもって事業ポートフォリオの『選択と集中』を実行することとなります。

●影響2 収支への影響(売上縮小と利益率上昇)
 譲渡対象事業は、当社の連結売上高に対し約3~4割を占めます。譲渡予定が期中であるため通期見込みとなると多少齟齬がでますが、四半期単位でみれば、譲渡を境に売上減少効果が発現することになります。一方で、譲渡対象事業は、まだまだ最大稼働で利益をもたらす水準に達していないステータスであることから、この譲渡により全社の利益額は回復され、早期に営業黒字化を実現していく進行トレンドをつくることができることになります。

●影響3 財務健全化(有利子負債の大幅削減)
 対象事業にかかる資産と負債が移転プロセスにおいて、有利子負債が大幅削減(資産譲渡により負債返済を実行する)されることで返済負担が大幅に軽減されること、キャッシュフローの健全化が進行します。
 但し、自己資本の大幅な毀損があるため、早期に利益率の高い事業へ集中すること等、自己資本増強策を模索していき、純資産の回復に努めることを優先してまいります。

<譲渡による影響イメージ>
※下図は、影響の発現トレンドの方向性のイメージ図です。従って、決算値ならびに進行期の見通し(現時点では非開示)の数値的性質は含まれません。



 選択と集中をした結果として、規模は小さくなってしまいますが、早期に黒字化させて、財務健全化をするという経営の意思表示としての判断であるとしてご理解いただきたいところであります。また、本事業資産の譲渡については、6月下旬に開催予定の定時株主総会における議案としても上程させていただくものとなります。

 この事業(CROSSCOOP)は、年商1億にも満たない頃から年商20億円規模まで愚直に向き合い育成してきました。軒先/スキマサービスから、オフィスリーシングの標準的選択肢にまでになっており、現在市場規模は爆発的に大きくなりました。僕たちは社会に対して一定の役割を果たしたのだと解釈し、この譲渡をもってCROSSCOOPがビッグオーナーの元でメジャーリーグ入りすることで、更なる成長を妄想しているところです。

 以上、補足説明とさせていただくとともに、株主の皆様におかれましては、引き続き、ご支援のほどよろしくお願いいたします。